なんでパンを焼いているのか

〈横須賀④〉なんでパンを焼いているのか

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お店がはじまって1年半がたち、
お店を毎日オープンするということがどんなに尊いことなのか
身を以て実感しています。

会社のお店であって、
世の中の個人で営んでいるお店に比べたら
私なんてまだまだ甘いことは重々承知のうえで、
でもやっぱり飲食店をやるということは
毎日が真剣勝負なのだと。

このブログを書こうと思ったのは、
お店がはじまって、目の前のことに必死になっているうちに
なんでパンを焼いているのか分からなくなって
会社やお店に見合うパンが焼けるのか、
不安で不安で仕方がなく、
早く結果がほしいのにうまくいかないことが多くて
屁理屈ばかり言ってその場を取り繕い、
全くもって自信がなくなってしまって
あんまりずっと暗いものだから、
「ひかる」改め「くもり」と呼ばれ
(今思うと笑えるけど当時は深刻で、
この時期に取材された自分の写真をネット記事で見た時
あまりにも目が死んでいて、驚いてすぐにそのページを消した)
そんなくもりから脱出すべく、
昔の自分から情熱をもらおうと思ったからです。



なんでパンを焼いているのか?
こうやって学生のころから
自分が何がしたいのか、何に向いているのか
いろいろやってみて考えて考えて考えたうえで、今ここにいるわけです。


将来のことなんてまだまだ分からないし、いつ何が起こるか知らないけど
自分で決めたことなので言い訳せずにしっかり責任もって、
どんなパン屋をしたいのか、自分がやるべきことに向き合って、
全部やらせてくれる会社と、ここに至るまで必死に考えてきた自分を裏切らないよう、
会社の信条どおり
「世の中を楽しく、自分も楽しく」ここで発信していきたいのです。


〈横須賀③〉それから

 

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卒製以来の念願だった屋台をつくってのパンの移動販売。

横須賀での施工作業が進むなか、
パン焼きやお店づくりに専念しなさいとご達しが下され、
施工仕事から離れました。
漆喰だらけのツナギを脱ぎ捨て、
今度は小麦粉だらけのエプロンを身にまとうわけです。

施工仕事は、正直、施工メンバーに頼ることができたけど、
(主に3人で施工していた)
パンやお店づくりとなると、
自分の頭で考えて、進めていかなくてはいけない。

そこで満を持して登場するのが、
一緒にお店を運営する、元シェアメイトの現カフェ店長なのですが、
その方については書いてもかいても書き足りないけど、
(あまりに魅力的だからマンガも書いて贈呈した)
こんなところで書かれるのを好まないような人だから書かないけど、
本当に本当に一緒にお店をすることができて本当に本当によかった。

そこからてんやわんやしているうちに、
お店がなんとかはじまったわけです。
ここからはお店のSNSで発信しているので省略。

 

 

 

 

 

〈横須賀②〉マンガをかこう

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現場で発酵させようとしたけど、高温すぎてそのまま焼けてしまった失敗例

 

私はパンを焼いたことが皆無といっていいほど、
パン焼きに関して無知で、
会社でパン屋をすることになったものの、
まさか自分でパンを焼くとは、本気で思っていませんでした。

でもこれまた社長がいうのです。
「世界のママだって焼いているんだから、きっと焼けるよ!」
社長のいうことは、いつでも何でも現実になるので、
会社の「何でも自分でやる」というポリシーに乗っ取って、

私はパンを焼ける!と謎の自信がつき、
パン焼きの研究がはじまります。

横須賀に引っ越してパン屋の現場が着工したものの、
都内の現場の仕事もはじまり、
その現場の隣りが会社が施工・運営している石窯のピザ屋だったため、
現場で施工作業しながら、空き時間にパンをこね、
夕方にピザ屋の窯を借りて、パンを焼くという
日々がはじまりました。
青梅の山奥の薪窯パンのお店に、薪窯の見学にも行っていました。

施工の仕事をしながらパンの勉強する毎日は
なかなかクレイジーで面白かったので、
「横須賀diary」としてマンガも夜な夜なかいてました。

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〈横須賀①〉平屋に暮らそう

 

 

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パン屋の物件



社長とバゲットを買いにいってから
すぐにはじまったパン屋プロジェクト。

恐ろしいほど荒れ果てた廃屋を
解体することから始まるのですが、
ここからは、会社が行ってきたことなので省略。

 

会社の方針で、店をやるなら横須賀ということで
突然横須賀に引っ越すことになりました。
関西出身なので、関東圏にはとんと疎く、
横須賀なんて、どこにあるのかも知りませんでした。

でもお店をやるからには、
お店の近くに住むべきだろうということで、
大好きなシェアハウスを涙ながら引っ越し。

せっかくならと念願の平屋に引っ越します。
古い木造の建物だけど、
へんにダサいリフォームがされているので住む分には問題なく、
賃貸だけど、リノベも可能ということで、
少しずつ少しずつですが、かわいくしながら暮らしています。

流れで暮らすことになった横須賀ですが、
住んでみると感じる、ポテンシャルの高さよ。
きっとこれから引っ越してくる人が増えるのではないかと思う。

海も山も近くにあって、自然豊かで、
野菜もおいしく、
葉山、逗子、鎌倉がすぐそこで、
家賃も安く、都心へのアクセスも良好。
まちなかは新しいビルやお店があるけど、
少し離れると、古いまちなみがそのまんま残っている。

小高い山がたくさんあって、
そこにへばりつくように小さな平屋がたくさん並んでいて、
坂の町といえば尾道だけど、
横須賀も石段ばかりで真っすぐな道なんてない。
都心にはないような素敵な小さなお店もたくさんあって、
ネコがいて、みかんの木がたくさんで、ジブリ感がすごい。

予期せず住むことになり、
最初は、知人ゼロ・土地勘ゼロのなかなか不安な引っ越しでしたが、
3年暮らしていると、お気に入りのお店とか
どこで何を買うとかが決まってきて
少しずつだけど暮らしの根っこが生えて来たような気がします。

我が家の隣り、空き家ですよ。
だれか来ませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈東京④〉薪窯のパン屋、やる?

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せっせと記録していたパン屋紀行




東京に来て1年、
お弁当と仕事のほかに夢中になっていたことが
「パン屋巡り」。


現場仕事は、基本的に週6日勤務で、お休みは日曜日。

社内の人間ということで、いつの間にか
シェアハウスの管理係に任命されていて(家賃少し安くなった)

休みの日曜日は、シェアハウスの掃除をしなくてはいけない。
11人が暮らす家の掃除はなかなか大変で、
またお風呂が猫足だったり、シャラシャラした照明ばかりで、
もはや掃除が仕事みたいな状況でした。
 
なのでわたしの休みは、まあ半日くらいなもので、
せっかく東京にいるのだから、
この時間を有効に使おうと、
ハマったのがパン屋巡り。
世の中は空前のパン屋ブームで、
どの雑誌もパン屋特集を組み、どこをみてもパンパンパン。

東京に住んでいると雑誌に載っているお店がすぐに行ける距離にあるわけで、
お店を訪れ、雑誌と実物の答え合わせをするような感覚が面白くて
しかもパン屋って、お店に入るだけでなんとも幸せな気分になるし、
毎週日曜日は東京中のパン屋をめぐり、
パン屋の場所で、東京の地図を覚えていきました。

 

そんな入社1年目の冬の年末、
会社の忘年会のために、バゲットを買いに
社長とパン屋に行ったときのこと。

社長にパン屋への愛を語り、
何気なく「私パン屋したいんですよね」とつぶやくと、
「お茶いる?」くらいの、ものすごくフラットな調子で

「パン屋、やる?」と社長。
何やら社長はずっと前から薪窯のパン屋をつくりたかったらしいのです。 


この会社に働くことになったときも、

こうしてパン屋をするか聞かれたときも、
他愛もない世間話のように人の人生の転機をヒョイヒョイと
つくってしまう社長はやっぱり本当に末恐ろしい。

わたしは一晩考えた。

今の施工の仕事は楽しい。
でも、ものづくりの職人仕事はしっくりはきていなかった。

どちらかというと建物をつくって完成でなく、
ハード面もソフト面も全部引っ括めた、お店づくりそのものに興味があった。


大学で夢中になった自転車屋台での小商いや、

なにかひとつのことをテーマを魅力的に発信していくこと。
食に関わる仕事、食に関わるものづくり。


あと、通信をかいているうちにフツフツを思うことがあった。
なにかを発信していきたいのだけど、
なにかを発信するには、当たり前だけど発信するための「なにか」が必要で、
その「なにか」がうすっぺらいために、ただのお遊びになってしまうのです。
ずっと、なにかしっかり腰を据えて取りかかるような
ただ見栄えするのではなく、奥行きのある

研究テーマのようなものをずっと探していました。


で、今こうして「薪窯パンの店」という大きな大きな
想像以上の理想的な舟がやってきて、
また薪窯のパンというのが、ものづくりと料理のちょうどまん中で、
ロマンに溢れていて、研究的で、
この奇跡のような会社で、
パン屋づくりのすべてを自分の目で見て、自分の頭を使って、自分の手を動かして、
お店をつくっていくなんて、
これに乗らなかったら、今まで何をしてきたんだいという話なのです。

年明けには、社長にパン屋をやらせてくださいといい、
パン屋への挑戦がはじまりました。
このときの私はパンを焼いたことがなかったのに。

 

 

 

〈東京③〉フードデザイナーを目指したあの頃

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食に関わる仕事がしたいという気持ちがフツフツと沸き、
料理でどんなことが表現できるのだろうと
ひたすら料理に没頭していたこともありました。
そのうち、料理を魅せる仕事・スタイリングなどにも興味がわき、
フードデザイナーを志したことも

 

で、撮り貯めた大量の料理写真で雑誌をつくろうと
何年もかけて少しずつつくってはいるものの、
これ何のためにやってるんだか分からなくなり、お蔵入りしている。
この子たち
をいつか成仏させてあげたい。

 

 

 

〈東京②〉弁当作りに目覚める

 

 

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弁当全盛期がやって来る

もともと好きだったお弁当つくり。
社会人になると、アクセル全開で、
24時間弁当のことばかり考えていた。


現場仕事は、お弁当と相性がよかった。
朝早起きして、シェアハウスの大きなキッチンでお弁当こさえて
現場で身体を思い切り動かして、お昼にはお腹がぺこぺこで、
ツナギなもんだから、外にお財布片手にランチというわけにはいかないけど、
屋外のような、屋内のような現場で、毎日ピクニック気分で
お弁当をパカッとして、もりもりごはんを食べるのが気持ちよかった。

そのうち住人にもお弁当こさえたり、
現場でもたまにごはんをつくっていったり、

シェアハウスのパーティーで料理をモリモリつくっているうちに、
誰かにごはんをつくることの楽しさに目覚め、
どんどん食の仕事への憧れが増していった。

 

ちなみに
毎日せっせとお弁当をつくっていると、
就活で落っこちたあの某出版社から、
仕事と弁当の取材依頼を受け、某雑誌で載せてもらった。
昔、何度も何度もページをめくっては研究していた雑誌に
こんなかたちで関わることができて
すごくすごく嬉しくて、とても感慨深かった。



それではイチオシの弁当アーカイブたち。

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